昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane

We Need to Talk About Kevin by Lionel Shriver

『地球の歩き方』的な旅行書を出版する会社を経営し、世界を飛び回る生活を送っていたEva Khatchadourianは(アルメニア系のファミリーネームです。発音不明!)30代後半になって長男ケビンをもうける。息子を手放しに可愛がる、夫のフランクリンと異なり、エヴァはどうしても、我が子であるケビンを好きになることが出来なかった。1999年4月8日、コロンバイン事件の12日前、ケビンは通っているハイスクールで、大量射殺事件(ただし、銃によるものではありません)を引き起こす……。

現在は別れているらしいフランクリンに対してエヴァが書いた手紙、という形をとっています。こんなに長い手紙を送ってくる前妻というのは、困ったものだ――と思うのですが、段々と事情が明らかに……。

What possessed us? We were so happy! Why, then, did we take the stake of all we had and place it all on this outrageous gamble of having a child? (本文引用)

「自分の子供を好きになれない母親」って、結構いるんじゃないかと思うんですが、そういう存在を認めること自体がOffensive、という人も多いのに違いありません。この本も、Lionel Shriverのエージェントは取り扱いを拒否したため、Lionel Shriverが自分で出版社をみつけなくてはならなかったそうです。

確かに、エヴァのケビンに対する態度は相当ネガティヴです。「そんなの有り得ないんじゃないか」と思う部分もあるのですが、兄弟姉妹間で、親の「お気に入りの子供」と、そうでない子という差は結構ありますし、どうしても相性が悪い親・子の組み合わせっていうのも、ごろごろあると思います。(歴史を振り返ってみても、自分の子供を殺す母親って、わりといませんか?)

母性愛神話みたいなものを否定したということで(児童虐待のように、病的な感じでなはなく、理性的に)意義のある作品だと思います。あと、この本の中のアメリカ批判に同意する人って多いのでは。(エヴァはアメリカ嫌いのアメリカ人です)ケビンの側の言い分も聞いてみたいですねえ。

それにしても、読み切るのに、ものすごく時間がかかったような気がします。小さな活字で400ページということもありますが、何といっても、英語が難しい!『ハンニバル』も大変ではありましたが、あれは警察・犯罪用語の難しさ。こちらは、普通の家庭生活を描いているのに、小難しいです。

ただ、後半、いろんなことが次第に明らかになっていくに従って面白くなっていくので、読む方は途中であきらめずに頑張ってください。

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by Erika_Akane | 2004-07-26 22:00 | 洋書