昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane

A Complicated Kindness by Miriam Toews

メノナイト(Mennonites)のコミュニティーに住む16歳のノミ・ニッケル(Nomi Nickel)。神や地獄や天国での永遠の命を信じて育ってきたノミであったが、彼女の姉ナターシャは、無神論に目覚めて家出。母のトルーディーも失踪する。生真面目な父レイと、信仰を失ったノミが残された家からは、家具が一つ一つ消えていく……。

今年、これまでに読んだ本の中で一番よかった、というか個人的に一番気に入った本です。この本は今年の夏、カナダで話題だった本でもあります。

上に書いた粗筋だと、全然つまらなそうですが、特に粗筋というのはなく、崩壊していく家族についての思い出や、バラバラになっていく日常生活について、ノミがあれこれと話していきます。

これが可笑しいんです。暗くなりそうなものなのに。カナダの自虐ユーモアの極致、みたいな感じ。

Main Street is as dead as ever. There's a blinding white light at the water-tower end of it and Jesus standing in the centre of it in a pale blue robe with his arms out, palms up, like he's saying how the hell would I know? I'm just a carpenter. He looks like George Harrison in his Eastern religion period working for Ringling Brothers.

本文引用。(自虐ユーモアの部分ではありませんが)

学校の先生であるお父さんの唯一の楽しみが、ゴミ捨て場に行ってゴミを片付けること(!)とか、ノミと二人で柔軟材のクーポンをじっと見つめ続けるところとか、とってもおかしいです。

かつ、物悲しい。あまりに純粋に悲しくて、泣いちゃったところもありました。こういうの、大好きです。易しい英語で書かれてるし。

メノナイトは、アーミッシュみたいな人々(電化製品や車などはOKですが、してはいけないことがたくさんあるキリスト系宗教コミュニティー)で、時々街に観光に来ているのを見ることがあります。この本に書かれているように、彼らのコミュニティーに行って観光をすることも出来ます。

キリスト教やメノナイトなんて全然分からなくても、地方(田舎)に育った人間は、ノミに感情移入しやすいのではないかと思います。「学校卒業しても、ここにいたら、ろくな仕事も将来もないぞ~」みたいに考えずにはいられないところ。(特に思春期のあたり)
A Complicated Kindness by Miriam Toews
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by Erika_Akane | 2004-08-16 21:50 | 洋書