昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane

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コロンビアの小さな貧しい村で、バラの棘抜きをして働く17歳のマリア。頑固で意志の強い彼女は、職場の上司と相容れず、未来のない自分自身の生活にも不満である。その上、特に愛してもいないボーイフレンドの子供を身籠もってしまう。ある日、そんなマリアが大金を稼ぐ機会を提案された。それは、アメリカへヘロインを運ぶ「運び屋」の仕事であった……。原作スペイン語、英語字幕。

大量のヘロインを飲み込んで運ぶ「運び屋」の話を聞いたことがあると思いますが、それがどのようにして行われているのかを、非常に丁寧に描いています。ヘロインは、小さな(といっても、葡萄よりも大きい。マリアはそれを62個も飲み込まなくてはいけません。ひえー!)カプセルに入れられ、胃を空っぽにした運び屋たちによって飲み込まれます。そして、下から出てきたカプセルを洗うのです(映画の中では、練り歯磨きを使っています)。

とーってもリアルで自然です。飛行機に乗っている運び屋たちが、お腹の辛さのあまり汗をかいているところとか、入国審査で呼び止められた時のドキドキ感とかが伝染してくる感じ。

この映画、いろんな国際映画祭で賞をとっていて、演技とかキャラクター造成なんかすごいんですが、個人的には、あんまり好きではなかったです。貧しい暮らしを強いられている人々の辛さとか過酷さって、見てるとがっくり落ち込んでしまうので。

ところで、コロンビア。こういう映画が世界に出回ってしまっていいのか?そうでなくても、「コロンビア=麻薬」というイメージがあるのですが、これ見た後では、空港で南米人を見る目が変わってしまいそう。ステレオ・タイプ化しちゃいけなんだけど。

Maria Full of Grace
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by Erika_Akane | 2004-07-30 21:37 | 映画(映画館)
1970年の夏、トロント→ウィニペグ→カルガリーと、カナダの都市をめぐるロック・コンサートを企画した男がいた。彼の名前はケン・ウォーカー。グレイトフル・デッド、ジャニス・ジョップリン、ザ・バンドなどの大物ミュージシャンたちをのせたチャーター列車は、車内で大パーティーを続けながら都市から都市へと走っていく……。ドキュメンタリー。

ウッドストックが、聴衆のためのフェスティバルだったとするなら、Festival Expressは、ミュージシャンのためのフェスティバルだった、と言われております。というのも、このチャーター列車内、本当に楽しそうなんです。酒・ドラッグでベロベロのミュージシャンたちが、常に演奏したり歌ったりし続けています。途中で酒が底をつくと、酒屋の前に緊急停車して買い込んでくるしまつ。

ただ、このフェスティバル、興行的(経済的)には無茶無茶な理由で失敗。「フェスティバルは無料であるべき」と主張するプロテスターたちが、コンサート会場の外に群がって警察と衝突。カルガリーにいたっては、市長が「カルガリーの子供(若者)たちは、無料で入場すべきだ」とケン・ウォーカーにいちゃもんをつけたそうです。

晩年というか、死の直前のジャニス・ジョップリンのパフォーマンスを見ることができます。とっても楽しそうだし、歌声も迫力に満ちています。老婆と童女が一緒に存在しているような顔が印象的。

試写会会場には、ケン・ウォーカー本人や、フェスティバルで歌った女性なども来ていました。プロモーターであったケン・ウォーカー氏は、波乱に満ちた人生を送り、近年にはピストルで頭を撃ちぬく自殺未遂もしたそうです。それを奇跡的に生き延びた彼ですが、疲労の色が非常に濃く見えました。
Festival Express 公式サイト
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by Erika_Akane | 2004-07-29 22:08 | 映画(映画館)

Wordspy.com

Movieoke(カラオケの映画版……映画の一場面を見ながら、((カラオケのように字幕がでます))台詞を自分で言ってみるというもの)について検索しているうちに、面白いサイトに行き着きました。

www.wordspy.com

新語(英語での)を追跡していくサイト。言語学者や英語オタクには、たまらないのでは。
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by Erika_Akane | 2004-07-28 21:19 | 英語
父の病のため、故郷の小さな町に帰省中のジェフリー(カイル・マクラクラン)は、野辺を散歩中に人間の耳を拾った。ウィリアムズ刑事に、耳を届けたジェフリーであったが、好奇心を抑えきれず、自分でも捜査を始める。町に住む歌手、ドロシー(イザベラ・ロッセリーニ)が事件と関係あるらしいことを聞き出したジェフリーは、次第に不思議で病的な世界に巻き込まれていく……。

「Touch of Pink」を観た後、カイル・マクラクランの若い頃の顔を見たくなり、十数年ぶりにこの映画をみました。

わお。

初めて観た時も絶句状態だったのですが、今回も絶句。

わざとらしい演出に笑ったり、つっこみを入れずにはいられない部分もあったのですが、全体に溢れるパワフルなWEIRD!!ぶりには圧倒されるしかありませんでした。特に、デニス・ホッパーには、うひゃーとしかいいようがありません。(あれって、地?)

でも、『マルホランド・ドライブ』と比べると、この頃のリンチ監督は、まだまだ、全体の辻褄をあわせようという気があったのではないかと思います。最後には、愛の象徴ロビンが(あの鳥は、もろに作り物に見えますねえ)、気持ちの悪い虫を食べちゃっていたりして。

個人的には、わけが分からないほうがいいんで、『マルホランド・ドライブ』のほうが好きなんですが、『ブルーベルベット』もよかったです。
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by Erika_Akane | 2004-07-27 21:55 | 映画(ビデオ・DVD)
『地球の歩き方』的な旅行書を出版する会社を経営し、世界を飛び回る生活を送っていたEva Khatchadourianは(アルメニア系のファミリーネームです。発音不明!)30代後半になって長男ケビンをもうける。息子を手放しに可愛がる、夫のフランクリンと異なり、エヴァはどうしても、我が子であるケビンを好きになることが出来なかった。1999年4月8日、コロンバイン事件の12日前、ケビンは通っているハイスクールで、大量射殺事件(ただし、銃によるものではありません)を引き起こす……。

現在は別れているらしいフランクリンに対してエヴァが書いた手紙、という形をとっています。こんなに長い手紙を送ってくる前妻というのは、困ったものだ――と思うのですが、段々と事情が明らかに……。

What possessed us? We were so happy! Why, then, did we take the stake of all we had and place it all on this outrageous gamble of having a child? (本文引用)

「自分の子供を好きになれない母親」って、結構いるんじゃないかと思うんですが、そういう存在を認めること自体がOffensive、という人も多いのに違いありません。この本も、Lionel Shriverのエージェントは取り扱いを拒否したため、Lionel Shriverが自分で出版社をみつけなくてはならなかったそうです。

確かに、エヴァのケビンに対する態度は相当ネガティヴです。「そんなの有り得ないんじゃないか」と思う部分もあるのですが、兄弟姉妹間で、親の「お気に入りの子供」と、そうでない子という差は結構ありますし、どうしても相性が悪い親・子の組み合わせっていうのも、ごろごろあると思います。(歴史を振り返ってみても、自分の子供を殺す母親って、わりといませんか?)

母性愛神話みたいなものを否定したということで(児童虐待のように、病的な感じでなはなく、理性的に)意義のある作品だと思います。あと、この本の中のアメリカ批判に同意する人って多いのでは。(エヴァはアメリカ嫌いのアメリカ人です)ケビンの側の言い分も聞いてみたいですねえ。

それにしても、読み切るのに、ものすごく時間がかかったような気がします。小さな活字で400ページということもありますが、何といっても、英語が難しい!『ハンニバル』も大変ではありましたが、あれは警察・犯罪用語の難しさ。こちらは、普通の家庭生活を描いているのに、小難しいです。

ただ、後半、いろんなことが次第に明らかになっていくに従って面白くなっていくので、読む方は途中であきらめずに頑張ってください。

We need to talk about Kevin Amazon.com
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by Erika_Akane | 2004-07-26 22:00 | 洋書
ホームレス・ワールドカップ公式サイトといふものが存在するらしいです。

で、なんと日本チームも出場するのだそうです。

すごいなあ。がんばれ。
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by Erika_Akane | 2004-07-23 01:35 | 雑感

Leetspeak

今朝のGlobe and Mail のこの記事を読んで、とっても興味深いなあと思いました。(半アーミッシュ生活なので、こんな新言語の話は珍しくてしょうがないのです!)

Leetspeakというのは、オンライン上(この記事によるとハッカーやオンライン・ゲーマーなど)で使われる暗号化したスラングなそうです。(例えば、erikaは3rik4になる)

しかも、ただ単に文字の形を似た数字や記号に置き換えただけではなく、発音からの変換や、タイポをまねたものや、ジョークやインターネット歴史上挿話を背負った言葉などもあります。

また、この言語は人間には理解されますが、検索機械やフィルターはミススペルとして逃してしまうので、スパムやら著作権問題が発生しそうなもの関連でも使われているのだそうです。

これって、日本でも「ギャル文字」と呼ばれているものや、特定の掲示板のみで使われている言葉と似ているなと思うのですが、使用者のイメージが微妙に違うような気がします。英語版は、何しろ名前がリートスピーク(「エリート」からきている)だし。

日本でもこういう、ハッカーやゲーマーに使用される言語体系ってあるんでしょうか。それとも、オンラインで世界のハッカーと語り合うためには、leetspeakを習得しなければならないんでしょうか。英語読むのでも大変なのに、leetspeakなんて全然意味不明なんですけど……。

最後に、リートスピーク変換サイトを貼っておきます。
www.computerhope.com
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by Erika_Akane | 2004-07-22 22:46 | 英語
活気に満ちた女学生だったフリーダ(サルマ・ハエック)は、バス事故によって大怪我を負う。ほぼ全身をギプスで覆われたフリーダは、傷が癒えるまでのつれづれに絵を描き始める。先輩画家であり、共産党運動家でもあるディエゴ・リベラによって才能を認められ、やがて彼と結婚したフリーダ。しかし、浮気をやめることの出来ないディエゴとの結婚生活は、波乱に満ちたものであった……。メキシコの画家フリーダ・カーロの生涯を描く映画。

とっても「痛そう!」な生涯なのでした。バス事故からの回復後に、華麗な(レズビアン的)ダンスを踊ってしまったりはするのですが、腰串刺しの事故は痛そうですねえ。

そして、年中浮気をしているディエゴとの目茶目茶な結婚生活(先妻がすぐそこに住んでるって、何なの?)も、精神的に痛ましい。お互いに芸術家として、友達として、政治運動家として支えあうという面も大きかったのではあろうけれど……わたしは、非常に嫉妬心が強いので、あんな結婚生活は出来ません!

ついでに、流産やら、事故での負傷のぶり返しやら……ほんとに痛そう。生きていくのが辛そう。なのに、あのスタミナ、あの色彩、あのユニブロウ、あの絵、etc. すごすぎです。

カナダ住まいの目からみると、メキシコって、それはもうエキゾチック。光とか色彩とか植物・動物とか、異次元の世界です。

昔、フリーダの伝記を読んだことがあったのですが、本で読んだよりも強烈でした。
フリーダ公式サイト(日本語)
http://www.artcyclopedia.com/artists/kahlo_frida.html
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by Erika_Akane | 2004-07-20 22:11 | 映画(ビデオ・DVD)
イエス・キリストと間違えられたブライアン(グラハム・チャップマン)は、キリストと同じ運命をたどることに……。

いい加減な粗筋でごめんなさい!モンティ・パイソン映画です。ピラトとか、キリストの母とか、奇跡とかもちゃんと(?)出てきますが、とにかくモンティ・パイソン。一番最後の、磔になった人々がみんなで楽しく歌うAlways Look on the Bright Side of Lifeがよかったです。

メル・ギブソンの『パッション』(わたしは見てません)を観て、気持ち悪くなっちゃった人は、お口直しにどうでしょうか。

Biggus Dickusのような、しようもないところで笑っちゃいましたが、個人的には『ホーリー・グレイル』のほうが、面白かったような気がします。

このDVDには、モンティ・パイソンの歴史や、撮影中に仲間同士で語り合っているところ、ふざけたラジオ宣伝なども納められていて、ファンの方にはおいしいと思われます。(「削除されたシーン」の中の「羊のシーン」と「オットー」も楽しかった)

Amazon Monty Python's Life of Brian
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by Erika_Akane | 2004-07-19 22:27 | 映画(ビデオ・DVD)
金曜夜にThe Royal Ontario Museum で開かれる無料イベントに行ってきました。

アカデミー賞を受賞したミュージカル映画『シカゴ』は、トロントで撮影されたのですが、この時、リチャード・ギア、レネ・ツェルウェガー、キャサリン・ゼタ・ジョーンズなどにボイス・コーチをしたElaine Overholt がBill Kingの伴奏でジャズを歌うというので、行ってみたわけです。

ところが、なんと彼女は聴衆へのボイス・トレーニングを始めたのでした!

(自分の『声』を探すためには)「自分の中にいる戦士(warrior)を見つけなさい」というのが彼女のモットー。何とも勢いのいい、小太りの中年婦人であるElaine Overholt は、『Stormy Weather』を使いながら、観客の何人かを舞台にのせて、彼女のトレーニング法の一部を披露してくれました。

とんでもない音痴の人や、車椅子の青年(舞台にのったら、何故か歩き始めた―――奇跡か?)たちが、果敢にも舞台に上がり、いやあ、もう面白かったです。

わたしは、ヒヨヒヨした自分の声があまり好きでないので、もっとちゃんとした声になりたいのですが……warriorですか。わたしの中にもいるのかしら…。
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by Erika_Akane | 2004-07-17 23:34 | 展覧会・イベント