昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane

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宇宙の中心で愛を叫ぶ

「カナダはトロントを嫌うことで結ばれている」と言われるくらい、嫌われ者のトロント。

その理由は、
"Toronto thinks it's the centre of the universe!"
「世界の中心」どころではない、「宇宙の中心」です。

これ、筋金入りのトロント人に言っても、「だってトロントは宇宙の中心なんだもん」と、無邪気に言い返されるだけです。カナダ国内において、トロントが一番大きな都市であることは否定しようがないので、「宇宙の中心」と悦に入ってしまうのでしょう。

そんなトロント人を怒らせる言葉は、
「トロントは、ワールドクラスではない」(←かなりカチンとくるみたいなので、言う相手を選びましょう)

NYC、ロンドン、東京、パリなんかと比べると……というか、並んで名前が出てくることってありませんよね……。

ともあれ、カナダにおける、わたしのホームタウンだったトロントから、出ていくことになりました。図書館で予約待ち中の『裸のランチ』もそのままに。

移転先もカナダ国内(東部)なので、あんまり違わないんですが――宇宙の中心から去ることには、ちょっと悲しみを感じます。連夜試写会に行けることもなくなるだろうし。

2週間ほどブログが更新できないと思います。毎日見てくださる皆様、どうぞお見捨てなく……。(大逆罪で逃走中、とかいうのではないので、心配ならさらないでください)無事着地したら、また書き出します。
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by Erika_Akane | 2004-09-28 03:55 | 雑感
NYC、現代。自立して働くジェシカ(ジェニファー・ウェストフェルド)であったが、今一つ幸せと感じることが出来ない。理想の高い彼女は、Mr.Rightを探し続けているが、ブラインド・デートで会う男たちは、どうしようもない類ばかり。そんなある日、ジェシカは新聞の恋人募集欄にあった、気になる広告に答えてみた。それは、ヘレン(ヘザー・ジャーゲンセン)というレズビアンの女性によって載せられたものだった……。

とってもキュートで、ほろ苦いラブコメです。ツボにはまりした。
ジェシカはユダヤ人家庭の出身で、「ユダヤー」みたいな場面もあるのですが、適齢期になっても独りでいる女の子に、周りがやいのやいの言ったり、「いい人」を勝手に紹介したりするのは、全世界共通と思われます。独身の女性も、そうでない女性も、「そうそうそう!」というシーンや台詞があると思います。

自分が何をしているのか、何が欲しいのか、はっきりと分かっていて、自信に満ちて行動できるヘレンが素敵でした。

対するジェシカが(ダイアン・キートンとジュリエット・ビノシュを足して2で割ったように見えません?)、段々と一皮向けてくる様子もいいです。

ジェシカの上司で作家志望だったジョッシュも、存在感のあるキャラクター。

結果はどうであれ、「この恋をして良かったじゃない」と思えるような関係が持てることっていいなあと、しみじみ思わせられました。

この映画、男性版では製作可能でしょうか。難しそうな気がします。理由は分からないのですが、男性同士のキスシーンと女性同士のキスシーン、女性同士のほうが、世間に受け入れられやすいですよね。どうしてなのかな。

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by Erika_Akane | 2004-09-27 05:01
7年間のひどい結婚を終え、35歳のカーリー(シャロン・ストーン)は、高層マンションに移り住む。入居早々、カーリーの部屋の前入居者は、バルコニーから墜落死したことが判明。カーリーにそれを教えた老人も死ぬ。一方、マンションに住むの2人の男たちが、彼女に急接近してくる。コンピュータ・ソフトウェア関係の仕事をするジーク(ウィリアム・ボールドウィン)と、いかにも怪しげなミステリー作家のジャック。カーリーはジークと肉体関係を結ぶが……。

ネタをばらしてしまうと、何にもなくなってしまいそうなので(セックス・シーンは残りますが)、筋に関係することは書きません。

ただ、ジークが、人々の実生活を覗き見することについて言った台詞は、現在のTV界におけるリアリティー・ショーの繁盛ぶりを予言しているかのようで、ちょっとびっくりなのでした。

あと、シャロン・ストーンの顔立ちって、非常に整っているのねえと感心。

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by Erika_Akane | 2004-09-25 03:00 | 映画(ビデオ・DVD)
三人のソビエト共産党員が、貴族から没収した宝石売却のためにパリにやってくるが、元の持ち主である公爵夫人は、パリの愛人レオン(メルヴィン・ダグラス)を使って阻止しようとする。宝石売却の遅滞に業を煮やしたソビエト政府は、バリバリの共産党員ニノチカ(グレタ・ガルボ)をパリに送りこむ。美しく、風変わりなニノチカに心惹かれるレオン。しかし、ニコリともしないニノチカを笑わせようと躍起になったレオンは……。

実は、ガルボの映画を見たのは初めてです。他の映画出演時との比べようもないわけですが、彼女、この映画では、ものすごく可笑しかったです。

特に、レストランで爆笑する前までの、共産党の信条を振り回すところとか、パリを共産党の目で描写するところとか。ロシア訛り(ではないと思うんですが、そんな感じ)の口のききかたや、表情や、とーってもステレオタイプな台詞が、オースティン・パワーズ映画にでも出てきそうな勢いでした。

対するレオンのほうも、いかにも「フレンチマン」な迫り方で笑えます。フレンチ・アクセントでないのが残念。

この映画は、北米における「共産主義」「フランス」のステレオタイプを非常に上手に使っていると思います。

従って、この手のステレオタイプに親しくない場合、あんまり笑えないかもしれません。(例えば、東北人間の間で、「秋田人はこういうタイプ、青森人はこういうタイプ」というのがあり、東北人はそれを使ったジョークに大笑いするとします。しかし、同じジョークを九州地方で言っても「何のこと?」となるケースのようなもの)

現代だったら、「共産主義」を「イスラム原理主義」に置き換えてリメイクが出来るでしょうか?……たぶん、駄目でしょうね。恐いことになりそう。

ところで、一夜を共に過ごした後で、お花を贈る(贈られる)のって、素敵だなあと思いました。(パーティーの後朝に、ニノチカが、レオンからお花を贈られる場面があります)平安時代は、こういうのあったんですよねえ。

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by Erika_Akane | 2004-09-24 03:35 | 映画(ビデオ・DVD)
戦争で数々の勲章をとったルーク(ポール・ニューマン)であったが、酔っ払いながらパーキング・メーターを破壊し刑務所に送られる。決して諦めない根性を発揮して囚人たちからの尊敬を勝ち取るルーク。しかし、母の死後、脱獄を繰り返すようになり、刑務所職員たちから徹底的に痛めつけられる……。

今一つ、しっくりきませんでした。焦点が定まっていないというか……。ルークがかっこいいのは分かりますが、どこか嘘くさいというか、表面的というか。『ショーシャンクの空に』や『アメリカン・ヒストリーX』のような最近の刑務所ものを見た後だと、「なんだかなー」という感じです。

セクシーなお姉さんが、悩殺洗車をするのって、この映画が元祖なのでしょうか。あの場面は笑います。

卵50個も食べたら、コレステロールがとんでもないことになりますねえ。

最後に、この邦題、一体どこから出てきたのでしょう??これはひどすぎない?

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by Erika_Akane | 2004-09-23 02:42 | 映画(ビデオ・DVD)
20世紀初頭、トロントではBloor Street Viaductが建設されていた。橋の建設のために働く労働者の中には、オンタリオの田舎から出てきたパトリック、東欧移民のニコラス、イタリア系のカラバッジョらがいた……。ゆるく、時に密接に絡み合う彼らの人生と人間関係を通して、時代と都市、史実と伝説を描き出した作品。

無茶無茶なあらすじですみません!
読むのが難しいです。英語のせいかと思ったのですが、アマゾンのレビューを見ると、英語人たちにも難しいみたいです。(話が入り組んでいる)

登場人物たちのうち、ハナとカラバッジョは『イギリス人の患者』にも出てきます。

オンダーチェの小説に出てくる詩的なイメージとか、時空を超えちゃうような感覚ってものすごく好きです。オンダーチェの『イギリス人の患者』(映画が出る前に翻訳で読みました)を読んで大感動し、カナダに来ることを決意したくらい(というのは大げさですが)惚れこんでいます。

あと、独特のちょっとつき離した三人称が好きです。戯曲を読んでいるのに近い気分になります。これ、どうやって書いてるんでしょう。この距離のおきかたって、真似しがたいです。

オンダーチェがトロントのいろんな場所や、昔の移民の生活を描いているのを読むのは、とってもスリリングでした。ちなみにBloor Street Viaductは現在も使用されています。(自殺防御柵が付く前は、市内の自殺名所)

Most immigrants learned their English from recorded songs or, until the talkies came, through mimicking actors on stage. It was a common habit to select one actor and follow him throughout his career, annoyed when he was given a small part, and seeing each of his plays as often as possible—sometimes as often as ten times during a run. Usually by the end of an east-end production at the Fox or Parrot Theatres the actors’ speeches would be followed by growing echoes as Macedonians, Finns, and Greeks repeated the phrases after a half-second pause, trying to get the pronunciation right. (本文引用)

↑今だったら、誰をお手本俳優・女優に選ぶか、ちょっと考えてしまいました。

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by Erika_Akane | 2004-09-22 04:24 | 洋書
ゲームは人体に直接つなぎ、現実のように体験することが出来る近未来。天才ゲーム・デザイナーのアレグラ(ジェニファー・ジェイソン・リー)は、新しいゲームeXistenZを開発した。フォーカス・グループで、この新ゲームをテストしようとした時、何者かがアレグラの暗殺を謀る。マーケティング担当のテッド・パイクル(ジュード・ロウ)と共に逃げ出したアレグラであったが、何者かが彼女の命を狙い続ける……。

クローネンバーグ監督のこの映画、
・変態的
・変なユーモア(かなり笑えた)
・世界市民的
・深く考えさせる
・ドン・マッケラー
の5点を網羅していて、わたしの中では、「カナダ映画の真髄」という感じでした。(あくまで個人的な「カナダ映画」のイメージです)サラ・ポリーとウィレム・デフォーも出てるし。

あと、この映画を見ているうちに、セクシーであることとエロチックであることというのは、別物なんだなーと、しみじみ思いました。なんというか、この映画、相当エロい感じがします。ポッドの形態+操作とか、脊髄にバイオコードを挿入するところとか(見るたびに脱力)、いろんなグチュグチュものとか。

でも、どう考えても「その気」にはならないです。ひたすら「うぎゃあ~」という感じで。ノーマルなラブ・シーンの気配が出てくると、ほっと安心するほどでした。

ちなみに、この映画の最初と最後に出てくる学校みたいな場所、トロントにあるパイオニア・ヴィレッジ(明治村みたいな場所です)の集会所のように見えるんですが、どうなんでしょう……。

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by Erika_Akane | 2004-09-21 05:15 | 映画(ビデオ・DVD)
ヤギ・考

「北へ行く猫」さんのところのこの記事を読んだ後、どうしても『3びきのやぎのがらがらどん』が読みたくなりました。

わたしの子供時代(小学校前)のお気に入りを3つあげるとしたら、
1.雪の女王
2.パンを踏んだ女の子
3.3びきのやぎのがらがらどん
だったのです。

『がらがらどん』日本語版を入手するのは不可能と思われたので、英語版を図書館でみつけてきて再読。

基本的に絵本が好きではなかった(「絵はどうでもいいから、もっとお話を出してよ」という感じだった)わたしが、どうしてこの絵本が好きだったかというと、

絵が恐い!

からです。chick_pea さんも書いていらっしゃいますが、橋の下にいるトロールが恐くて直視できず、ヤギのほうへと目をそらしていたのを思い出しました。

あと、このお話、子供の頃に慣れていた世界の昔話の定型からすると、意表をついているような気がします。

わたしにとって、よくあるパターンって、「三人姉妹やら三人兄弟がいる→一人ずつ宝物探しに出る→一番上と二番目は怠け者、嘘つき、人情なしなどで失敗→優しい末っ子が成功」というのです。

これって、幼い頃のわたし(第一子)にとっては、自分のろくでなしぶりと将来の失敗を約束されているかのようで、とっても悲痛なのでした。(最近の第一子たちは、「お話の時間」をどうやって凌いでいるのでしょうか)

ところが、『3匹のやぎのがらがらどん』では、小さいやぎたちはトロールにむかって「次にくるヤギのほうが大き(くて食べがいがある……ということだと思うのですが、日本語版はどう訳しているのでしょうか?)いよ」などと言います。これだけでも驚き。

そして、最後にやってくる一番大きなヤギ(まあ、彼らが兄弟とは限らないわけですが)は、大きいことを武器に正々堂々と戦って勝ちます。「優しさ」とか「智恵」とか「正直さ」が評価されることの多い昔話の中で、割と意外な展開ではありませんか?

子供心にも、こんなところに感心したのでしょうか。(単に恐いもの見たさだった可能性大ですが)

ちなみに、わたしが借りてきた本では、トロールは大きなヤギに目をつかれ、細切れに潰されて、川に投げ込まれます。おおお、バイオレント!

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by Erika_Akane | 2004-09-20 03:20 | 洋書
雨のロンドンの夜。作家のモーリス(レイフ・ファインズ)は、友人ヘンリーと偶然に再会する。妻のサラが浮気をしているかもしれないと打ち明けられたモーリスは、嫉妬にかられて探偵を雇い、サラ(ジュリアン・ムーア)の後をつけさせる。何を隠そう、戦時中、モーリスとサラは愛人関係にあったのだった。ある空襲後、サラから唐突に関係を打ち切られたモーリスは、彼女に対する愛とも憎しみともいえないものから脱せないでいた……。

泣かされました。

モーリスとサラの間の愛情はともかく(ラブシーンは、とってもセクシーです)、最後のほうに出てくる「すべてを包み込むもの」みたいなものに感動。サラが、探偵の息子の顔にある巨大な痣にキスするところで、ぐぐっときました。

監督のニール・ジョーダンは、カソリックなのでしょうか。まあ、アイリッシュなので、カソリックの影響は染み付いているんでしょうね。わたしはキリスト教徒ですらないので、この映画のフル・インパクトみたいなものは感じられなかったと思うのですが、それでも心を動かされました。

それにしても、この夫ヘンリーの胸中の苦しみって、ただごとではないと思うんですが。想像するだけで吐きそうになってしまいました。(あまりのストレスを感じると吐き気がするんです)サラは幸せ者。

レイフ・ファインズは、「神をも畏れぬ愛人」というのがはまり役ですねえ。

The End of the Affair imdb.com
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by Erika_Akane | 2004-09-17 23:06 | 映画(ビデオ・DVD)
イザベラ(ペネロペ・クルス)は料理の達人であったが、自分で運転する時以外は激しい乗り物酔いに悩まされるという弱点があった。ある日、彼女はトニーニョと恋に落ち、結婚し、レストランを営むようになる。二人の相性は抜群であったものの、セックスの時、いつでもイザベラが上でないといけない(乗り物酔いになる?そういうものか?)ことに我慢できなくなったトニーニョは浮気をする。現場を目撃したイザベラは、サンフランシスコへ出奔。TVプロデューサーに見初められて料理番組を始める……。

スパイスの効いたシーフード料理って、とってもおいしそう!全編に流れるボサノバも素敵です。

でも、映画自体が、もうちょっとスパイシーでもよいのでは。(ラブコメは、本格的に笑わせてくれるのじゃないと、「ひまー」と思ってしまう性格なもので……普通にラブコメが好きなかたは、楽しめると思います)

ところで、どちらが主導権を握っているのでもない体位ってありますか?何だか真剣に考え始めてしまいました。『カーマスートラ』あたりに載ってますかねえ。

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by Erika_Akane | 2004-09-16 22:17 | 映画(ビデオ・DVD)