昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane

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恋人も、特に親しい友達もいないクロエは、休暇に出かけるにあたり、愛猫のグリグリを猫好きの独居老婦人マダム・ルネに預かってもらう。ところが、休暇から帰るとグリグリは姿を消していた。マダム・ルネのネットワークに助けられながら、クロエは猫を探し出そうとする……。

原題はChacun cherche son chat。フランス語、英語字幕。

とっても淡々とした映画で、こてこての『オペラ座の怪人』と比べると、ワカメの酢の物みたいな感じです。どちらも一応パリが舞台なんだけど。

クロエが、頑張ってやる気を出してバーに行った夜の災難ぶりが、いかにもありそう!!なのでした。ゲイの同居人に、「どうして、わたしはこんなに一人ぼっちなのかしら?」と問いかけるところでは、思わず涙。

これ、「犬が行方不明」だと、全然違うことになりそうですねえ。そもそも、犬を飼っている人々は、犬を通じて近所の人々とすでに親しくなっていませんか?(小犬をナンパの道具にする男性も多し!)猫を飼う人々は、その辺の温度がちょっと違うような気がしますが(わたしも猫派です。犬も好きだけど)、そうした微妙さがよく出ていたように思います。

When the Cat's Away 公式サイト

When the Cat's Away imdb.com
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by Erika_Akane | 2004-12-30 03:44 | 映画(ビデオ・DVD)

勝手にクリスマス休暇

にしてました。毎日見ていてくださったかた、本当にごめんなさい!

休暇中、グレイハウンド・バスの中で上映された映画を二本見たのですが、ほとんど音が聞き取れない状態だったし、あれこれと気が散っていたので、感想はパスします。

”White chicks”と”The Day After Tomorrow”。

”Day After Tomorrow"の必殺「Deep Freeze Wave」(勝手に命名)には驚きました。寒さから逃げるのって大変っていうか、あんなのあり??

グレイハウンド・バスって初めて乗りました!予想したほどもの哀しく(勝手にもの哀しい、寂しいイメージを思い浮かべていました)はなかったです。
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by Erika_Akane | 2004-12-29 10:45 | 雑感
1870年代パリ。オペラ座には、「怪人」と呼ばれる謎の存在についての噂があった。音楽的天才である怪人は、クリスティーヌという孤児を歌手として密かに訓練し、オペラの主役で歌うまでに育て上げる。しかし、クリスティーヌは青年ラウルと恋に落ち、彼女を愛してきた怪人は……。

舞台版ミュージカルの映画化(ミュージカルのまま)です。舞台版はかなり前にトロントで見たことがあります。忘れていたところが、ぐんぐん思い出されて、相当忠実に映画化!という気がしました。

舞台版に忠実に、tacky大炸裂みたいな部分もあるんですが、(白馬に乗って、クリスティーヌ救出に現れるラウル!墓石の上から飛びかかる怪人!傷を負うラウルはもちろん白いひらひらシャツを着用!!鮮血!辺りは雪!……などなどきりがないので止めます)もう、これはこれで、楽しまなきゃ損かも…。

告白しておかなければなりませんが、わたしはこの「オペラ座の怪人」というキャラクターに魅了されております。大好きな想像上の人物の中の一人です。天才的でありながら、深いコンプレックスがあり、ほとんど狂人で、危険で、大きな劇場の舞台裏および暗く入り組んだ地下道に住んでいる……って、とーってもfascinating!!これって、文型版マッド・サイエンティストみたいなアーキタイプなんでしょうか?

というわけで、この映画がよかったのか、そうでもないのか、はっきりいって、よく分かりません。(舞台版にかなり近いことは確か。ただし、怪人の悲しい過去がクリアなあたり、ちょっと違うかも)できれば、全然違う演出とか解釈とかパロディを見てみたい気がします。

オペラ座の怪人 日本語公式サイト
The Phantom of the Opera 公式サイト
The Phantom of the Opera imdb.com
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by Erika_Akane | 2004-12-22 02:38 | 映画(映画館)

So This Is Love by Gilbert Reid

民族間の抗争が続くボスニア。重傷を負ったイスラム教徒の兵士と、盲目の若いセルビア人女性が、物資不足の病院の片隅で一緒になる……Pavilion 24の他、イタリア、パリ、カナダなど、様々な地を舞台にした、様々な「愛」を考える8つの短編。

Pavilion 24、Soon We Will Be Blind(オンタリオ州の農場における、語り手の少女時代に起きた暴行未遂事件の回想)、Hey, Mister!(戦争カメラマンの体験)、The Road Out of Town(育った町を訪れた語り手が、少年時代に起きた不幸な少女の失踪を回想)が、よかったです。Pavilion 24は特に迫力と悲しさ、絶望感満点!これだけ変化にとんだ舞台設定が出来るのってすごいですねえ。

それにしても、映画・ラジオ・TVのプロデューサーで、外交官(?)としてロンドンやローマで働いたことがあり、経済学者(?)としてパリで働き、シシリーでは大学講師をし、様々な映画祭の審査員もしてきた……という、すさまじくマルチ・タレントな作者Gilbert Reidの経歴って、一体???

So This is Love 出版社のサイト
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by Erika_Akane | 2004-12-20 11:26 | 洋書
前作での被害者、トニー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)は、「オーシャンズ11」のメンバーを一人一人捕まえ、彼から盗んだ金を二週間以内に利子付きで返させることを強要する。ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)のもとに集結したメンバーはヨーロッパへ向かうが、そこでは、ラスティー(ブラッド・ピット)の元恋人である、刑事イザベル(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)と、謎の大泥棒ナイト・フォックスが彼らの仕事の障害となる……。

逆転また逆転のストーリー。

豪華キャストによる、お洒落でスピーディーなエンターテイメント!です。

後半には、ブルース・ウィリスも、本人として登場。(ジュリア・ロバーツもある意味、本人として…)

マット・デイモンはコミカルな味を出しています。この映画のキャサリン・ゼタ・ジョーンズは、非常にいいですねえ。

本当に妊娠中であったのであろうジュリア・ロバーツは、相当やつれていて痛々しい感じです。元気はいいのですが。

それにしても、11人って多すぎません??最後のパーティー・シーンなんかは、とっても楽しそうで、11人(+1)はパーティー(飲食と語り)をするのにはちょうどいいのかも……と思うのですが、チームとしての11人は、誰がどのスペシャリティーなのかや、人格的な特徴はおろか、名前も覚えられません。(わたしとしては『イタリアン・ジョブ』くらいが最大人数かな。)

oceans12 日本語予告編

oceans12 imdb.com
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by Erika_Akane | 2004-12-17 23:57 | 映画(映画館)
ゲイ+吸血鬼+コスチューム・デザイン兼製作屋の「わたし」は、カントリー歌手で、素晴らしいお尻をしているハンクに、無料で衣装を作ることを提案した。「わたし」は、ハンクを大スターにする一方で、さまざまな策略をめぐらせて、ハンクを孤立させ独占しようとする。ハンクは愛する人々を失い、酒に溺れ、薬に溺れ、破滅していく……。

大きな活字で120ページ足らずの短い小説です。

カントリー歌手ハンク・ウィリアムズを知っている人なら、この話は、彼の生涯を下敷きにしているのだな……と思うはずです。元の奥さんの名前がオードリーだし、29歳で車の中で死んでしまうのもハンク・ウィリアムズと一緒です。

それから、オンダーチェファンも、「むむむ、このスタイルはオンダーチェっぽい…」と思うのではないでしょうか。(アマゾンのレビューにもそんな感じのことが書いてありますが)

とにかく変わっています、この本。「すごくいい!」とは個人的には思いませんでしたが、退屈している時に読んで損はしない感じ。衣装はゲイなんですが、バイオレントで、どす黒い。

「吸血鬼」が出てきちゃうのって、何よ?!だったのですが、

“I can make you immortal, Hank. Wouldn’t you like to live forever?”

というところで、なるほど…と思いました。ここでの「ヴァンパイア」って、「有名になることの代償」みたいなものなのかも。(あくまで個人的解釈です)

Haunted Hillbilly amazon.com
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by Erika_Akane | 2004-12-16 04:37 | 洋書

人生の親戚 大江健三郎

大学で英文学を教えるまり恵には、知的障害児として生まれたムーサンと、事故によって身体障害児となった次男がいた。この2人の子供が同時に自殺した後、まり恵は小さな宗教団体に入り、やがてアメリカ→メキシコへ渡る。息子がムーサンと同じ学校に入っていた縁でまり恵と知り合うようになった作家Kは、まり恵の生涯を映画化しようという企画に携わる……。

「べティさん」というあだ名を持つまり恵さんは、単なる聖女にはならないし、見守るKも彼女をむやみに聖女化したりはしません。まり恵さんみたいな人が、こういう目にあったら、こういうふうに対処するだろうな……という現実感は、ものすごくあるような気がします。途中まで、本当の話そのままを書いているのに違いないと思い込んでいました。どんどん読める本です。

でも、読み終わった後、別に感動しなかったです――「救い」とか「癒し」とか文庫本の裏の宣伝に書かれていることも感じませんでした。個人的に、「『いやし』は、あまりにも90年代!」と思ってしまうためでしょうか。違う時に読めば、違う感想になるかも。

人生の親戚 amazon.co.jp
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by Erika_Akane | 2004-12-15 00:15 | 和書

The Centre (2004) 邦題不明

ヨーロッパの地理的中心を見つけ出そうとするクエスト!ドイツ語・ポーランド語、英語字幕。

市内のフランス・ドイツ映画祭(という大々的なものではないのですが…)の一旦として、地元大学の講義室で無料上映されたのを見ました。

これ、はっきりいって無茶無茶な映画です(いい意味で)。ドキュメンタリーだと思うんですが、そういう説明は一切なし。科学的にヨーロッパの中心を見つけ出す――とかいうのではなく、「ヨーロッパの中心」を名乗っている多くの田舎町に出かけて、人々の様子を撮影したのをつなげた感じ。

「ヨーロッパの中心」を名乗っている町は、ドイツからオーストリア、ポーランド、リトアニアまで点々としているのですが、どこもかなりの田舎。それが、どこもロー・キーで、意味不明のことをやっていて、でへへへっという感じの笑いがあって、みんないい味を出しています。

特にすごいのはリトアニア。野原の真ん中の掘っ立て小屋に住んでいる老夫婦の会話。「ヨーロッパなんて言っても、何にもいいことないね」「おいらの親父はウォトカを飲んだくれて金をすった後、首を吊って死んだよ」「そういえば、伯父さんもウォトカばっかり飲んでいた後、首を吊って死んだなあ」「兄貴も首を吊って死んだなあ」「みんなウォトカ飲んで、首吊って死ぬねえ」「リトアニアってとこは、おかしな所だよ、ハハハ…」みたいな笑い。

どういうわけか分かりませんが、粗大ゴミのTVが何百個も山積みになっている場所があったり…。

日本公開はおろか、アメリカで公開になるのかどうかも分からない映画ですが、この独特のユーモア感覚はいいですねえ。

いいリンクが見つけられなかったので、UKでの映画祭に出品された時のものらしいサイトにリンクを張っておきます。

The Centre 参考サイト
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by Erika_Akane | 2004-12-11 04:39 | 映画(映画館)
くよくよ思い悩んで前に進めない、あるいは、思い悩んで決断して行動したものの、何だか間違えちゃったような――そういう経験のある女性たちと、そういう女性を理解したい男性たちのための本。

今年読んだセルフヘルプものの中では一番よかったです。

要するに、くよくよと考えすぎ(over thinking)ていると、よく考えているつもりでも、視野が狭くなったり、自分の中の極端なムードに影響されたりして、一番効率的な解決策や打開策をみつけることができず、損である。だから、over thinkingに入ったなと思ったら、とにかくそれを打ち切り、気分転換をしたり、ブレインストームをしたり、いい友達や専門家の意見を聞いたりしよう……というものです。

女のお医者さんが、理性的に、辛抱強く語りきかせてくれているようでした。年配の女性たちの世代では、over thinkingが少ないという興味深いデータも。近年、社会的に女性の地位が大変動してきたのも、現代女性にover thinkingが多い一因なそうです。

いろいろ気にしすぎる男性にもお勧め。

Women who think too much amazon.com
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by Erika_Akane | 2004-12-10 03:01 | 洋書

James Joyce's The Dead

という、タラ・プレイヤーズ・シアター(アイリッシュ系によって運営されている劇団)によるミュージカルをみました。近所のコミュニティー・センターのような場所で上演されていたものの、最終日に滑り込みました。(日曜夜に行ってきました)

ジョイスの「死者」は、大好きな短編です。どんなミュージカルになるのかドキドキだったのですが、結構楽しめました。もともと、音楽会兼パーティーのような設定なので、歌は無理なく入っていた感じでした。

最後の有名な「アイルランド中に雪が降りしきっている…」というところ、歌になったのは驚きでした。わたしのイメージでは、最後の部分のガブリエルと妻のやりとりは、もっと静かなものだったので、派手な口論になったのもびっくり。

でも、全体的にほのぼのと楽しめるミュージカルでした。
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by Erika_Akane | 2004-12-08 04:00 | 展覧会・イベント