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昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane
ケーリー・グラントの守護霊(カイル・マクラクラン)と共に生きてきた、カナダ育ちのイスラム南アジア人(先祖はインド出身)アリーム。彼は、現在ロンドンで英国人ボーイ・フレンドと共に暮らしている。そこに、彼がゲイであることを知らずにいるアリームの母が訪れてきて……。

ケーリー・グラントの守護霊については、ウディ・アレンの『ボギー!俺も男だ』のハンフリー・ボガードを思い浮かべてください。そこに、『マイ・ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング』風のエスニック要素を織り交ぜ、さらにゲイ・カミングアウト劇も詰め込んだ、心温まるラブコメです。

UK・カナダ共同制作で、ロンドンのかっこいいところと、トロントのしょぼい部分とがもろに出てきます。ケーリー・グラントがトロントの悪口を言うたびに、劇場内は大爆笑。カナダ人のユーモア感覚には、「自分たちを笑いのめす」という部分が大きいと思うのですが(『サウス・パーク』や『シンプソンズ』でも、カナダが笑われるとバカうけします)度量が大きいわねえ、と感心させられます。

アリームのお母さんが、インド版ハル・ベリーという風貌で、無茶無茶美人。つっこみ役のケーリー・グラントが、おおいに笑わせてくれます。インド系ゲイ青年に、ケーリー・グラントの霊がついちゃうっていう発想が素敵。それも、ケーリー・グラント本人というより、映画のキャラクターとしてのケーリー・グラント。

ただ、これ日本公開になるのかどうか、公開になったとしても、うけるかどうか疑問です。『ビッグ・ファット・グリーク…』も、ここでは大うけだったのですが、日本ではそんなでもなかったんですよね。民族ジョークや宗教ジョークと同じで、生活環境によっては理解が難しいコメディのような気がします。

Touch of Pink 公式サイト
# by Erika_Akane | 2004-07-16 22:09 | 映画(映画館)

ヌードビーチを偵察

してきました。(湖岸でもビーチといいます)

うちのとこのビーチは、「ヌード!ビーチ」というよりは、「なんだったら服を全部脱いじゃってもいいです。逮捕しないから大丈夫ですよ……ビーチ」という弱気なものです。

ともあれ、ビーチ裏の藪の中から頭をそーっと出して決死の偵察。そこには……

スイカのようなお腹の60代くらいの肥満男性が、一人全裸でのしのし歩いている他は、誰も全裸ではないのでした。あんまり人がいないし。

アンチ・クライマックス。

わたし自身は、特に隠さなければならないようなものもついていないので、裸になることには抵抗がないのですが、一緒に行った人は「ここで裸になるくらいなら死んだほうがまし」という感じだったので、ヌードビーチ・デビューはなりませんでした。

カナダでは、バンクーバーに本格派ヌードビーチがあるといわれています。興味のあるかたは、そちらのほうへどうぞ。
# by Erika_Akane | 2004-07-15 21:10 | カナダ生活
16歳(だったかな?年中マスターベーションをしている年頃)作家志望のエディは、夏の間、絵本作家テッド・コール(ジェフ・ブリッジズ)のアシスタントとして雇われる。テッドとその妻マリオン(キム・ベイシンガー)は、暫定的に別居を始めたところであった。美しいマリオンに夢中になったエディーは、夫妻を破壊し、変えてしまった、過去の悲劇を知る……。

予告編は、中年役者たちの「裸」シーンにばかり重点をおいている、ちょっとキワモノ映画のように見えたので、あまり期待せずに見たのですが、かなりよかったです。

脚本がいいのか、俳優がいいのかよく分かりませんが、ジェフ・ブリッジスのテッド・コールが、ものすごい深みを出していました。その辺の小説とか映画とかではなかなか見ることのない、一度「壊れちゃった」人間の、矛盾した人間性というか歴史の重さというか複雑性が、ぐぐっと感じられるのです。

無表情なキム・ベイシンガーも、若いエディが惚れ込んでしまうのが、ごく自然に感じられる、「脆さ」と美しさを漂わせていいます。皺が美しいというと変ですが、こういう年上の女性にまいってしまう気持ちは分かるような…。(息子に良く似た青年と寝るというのは、なんか気持ちが悪いんですが)

しかも、重いテーマを扱っていながら、この映画、とほうもなく暗いというわけではないんです。相当笑わせてもくれます。心に残る映画です。映画ってというか、俳優って、こんなことも出来るんだ、とびっくりした感じ。

ジョン・アーヴィングの「未亡人の一年」が原作ですが、原作を読んで、原作そのままを期待して見ると、がっかりするかもしれないそうです。(わたしは、原作は読んでません。読んでみたいなと思い始めたわけですが)というわけで、原作を読んだみなさま、映画は映画として見てみてください。

The door in the floor 公式サイト
# by Erika_Akane | 2004-07-14 21:52 | 映画(映画館)

蜜月  小池真理子

激しく、奔放に生きる天才画家、辻堂環の訃報を目にした6人の女たちが、それぞれ彼との恋を回顧する……。

6章から成り立つというか、6編の短編が集まったというか。新潮文庫で読みました。

一番ぎょっとしたのは、少し前に自殺した作家鷺沢萌による解説です。
以下、解説より引用。


好死不如悪活。―――好死は悪活に如かず。
好きなことばだ。
(中略)
誤解を怖れずに敢えていえば、彼あるいは彼女がどのように生きてきたか、それをもっとも判りやすい形で見せてくれるのがそのひとの「死に方」である、というような。


平成13年2月に書かれた文章です。なんかこう、hauntingだと思いません?
# by Erika_Akane | 2004-07-12 21:39 | 和書

Yonge Street Festival 2004

トロントでは、このところ毎年夏、ストリート・フェスティバルというのが開かれます。

「世界で一番長い通り」と呼ばれる(「世界で一番~」というのは、あらゆる事に使われる傾向にあるので、正確なことは気にしないでください)ヤング・ストリートの一部を歩行者天国にし、仮設ステージや出店を設けて、楽しく過ごそうというお祭りです。

あまり組織だっておらず、だらだら、えんえんと続きますが、夏のだらだらした気分にぴったりのような気がします。

Yonge Street Festival

ついでに、この週末は、モリソン・インディーも開かれています。カー・レースって、全然分からないんですが、たくさんの観光客が来るらしいです。

Molson indy
# by Erika_Akane | 2004-07-11 04:14 | カナダ生活