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昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane

Fear and Trembling by Amelie Nothomb

東京にある大きな貿易会社ユミモトに働くことになった、ベルギー人のアメリー。日本で生まれて幼年時代を過ごし、日本語も話せる彼女は、憧れの日本で働くことに大きな希望を抱いていた。しかし、彼女は、崇拝する美人上司の森吹雪にいじめられる羽目になる……。

原作はフランス語。日本語訳では、『畏れ慄いて』( アメリー ノートン著)という題で出ているようです。わたしが読んだのは、Adriana Hunter訳の英訳です。

これ、「会社」の人々の言い分も、アメリーの言い分も、どちらも分かるような気がして(どちらも分かってないのかもしれないけど)非常に気がもめました。

アメリーの日本文化認識に納得できなかったり、日本語能力に疑問を抱いたりするところはあるとしても、「そういうところあるわよねえ」という、日本社会のおかしな点も多数。嫁と姑の間に立つ男の気持ちって、こんなものかしら。

でも、後半は一方的にアメリーに共感してしまいましたよ。(日本で堅気の仕事らしい仕事をしたことがないもので……わたしは、日本で社会人として生きる前に出ちゃったので、いろんな常識に欠けてるはずです)いくらなんでも、便所掃除係にするなんてひどいです。わたしは辞めちゃうと思う。(日本人でも辞める時は辞めるわよ!)森吹雪は陰険なサディスト!!

この経験を書いた本が大当たりした時には、さぞかしスカッとしたでしょうねえ……。本全般に、強烈に皮肉な笑いがきいてました。

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by Erika_Akane | 2004-06-26 10:09 | 洋書