昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane

The Phantom of the Opera by Gaston Leroux

パリ・オペラ座の怪人は実在した……「わたし」が、関係者の証言や随想録を引用しながら描き出す、オペラ座の怪人の恋と最期。

映画を見た後、どうしても気になって、「駄作」よばわりされている原作を読んでみました。旅行にいったり、その前後の始末でなかなか読書の時間がとれず、200ページの薄い本なのに、読了までに時間がかかりました。

かーなり時代かかっていて、話に入りにくいし、やたらに爆発(しそう)な、かつ引き伸ばす冒険談があったりして、「駄作」よばわりされるのも無理はないのですが、「いいとこ」はかなりよくて、本を置くことが出来ない部分も。

酷評が多い映画版のレビューで、笑ってしまうのが「怪人がハンサムすぎる」というもの。確かに映画の怪人は、マスクをしているかぎり、ラウルよりハンサムだし、マスクをとっても「あなた、自意識過剰なんじゃないの…」という感じなのですが、原作では本当に醜い!!(といっても見えるわけじゃないんですが、ほんとに醜くて恐い感じ。あまりにも醜いので実の母親にキスされたこともなかった――って、醜さとその悲しみがにじみでてません?)

I will play you Mozart, if you like, which will only make you weep; but my Duan Juan burns, Christine; and yet he is not struck by fire from Heaven.  (中略) You see, Christine, there is some music so terrible that it consumes all who approach it. Fortunately, you have not come to that music yet, for you would lose all your pretty coulouring and nobody would know you when you returned to Paris. (page 95)

映画かミュージカルで出てきたかどうか覚えてないのですが、怪人の名前はErik。自分のことを、「誰もErikの素顔を見ることはないのだ」とか、3人称で語ってしまうあたり、ちょっと笑えます。でも、怪人の苦悩・悲しみは、やっぱり本が一番よく味わえるような気がします。

クリスティンに結婚の承諾をさせた後(一応、彼女に選ぶ権利はあるのだけど、Noの場合、ラウルはもとより、オペラ座にいる観客たちが大爆発の犠牲になるという条件って…)、彼女に初めて(というか、生まれて初めて女性に)キスするあたり、涙なしでは読めません。

わたしが読んだのは、「wordsworth classics」の英訳版。(訳者の名前が見あたらないんだけど…なんなの、これ?)アマゾンには見当たらないのですが、表紙の絵が本で描写される怪人に似てるので(鼻がなく、痩せこけていて背が高い。昼間は目は穴のように見えるが、暗闇の中では猫の目のように黄色く光る)、ここにリンクをはっておきます。

The Phantom of the Opera amazon.com
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by Erika_Akane | 2005-02-09 00:02 | 洋書