昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane

The Plight of Happy People in an Ordinary World by Natalee Caple

家から出ることがなくなった画家志望(だけど画家になるための努力を延期し続ける)の父親に代わり、イルマ(19歳)とNadja(16歳)の美しい姉妹によって営まれているパン屋。ある日、やって来たジョセフという謎めいた男(5人の子持ち、妻は死去)に姉妹は夢中になり、イルマは妊娠してしまう…。

とっても奇妙なお話しです。大きなストーリーラインは、ジョセフと姉妹の恋の行方ですが、パン屋一家の家族のこと、客のこと、ジョセフの家庭など、様々な話が絡み合っています。登場人物たちがみんなどことなく変で、彼らが他の人物たちに語って聞かせるエピソードが、またとてつもなく変わっています。

ジョセフが語る「妻がいかにして死んだのか」という話や、パン屋にやって来た配管工が話す「自分はどうして配管工になったか」とか、姉妹の父親の父とロシア人娼婦たちの話とか…。シュールレアリストの絵の中にいるみたいな感じです。

美少女姉妹が夢中になるジョセフの魅力が、特になにも説明されていないところもすごいです。なんか生活に疲れきっていそうなんですが、よほどハンサムなのか?セクシーなのか?(処女だったイルマは、彼に会ったその日に一緒に寝てしまいます)彼が本当は何をしている人なのかも、一番最後までいかないと分かりません。(ジョセフの兄の話が本当のことだとして)

終わりかたもシュールです。パン屋の中に突然湧き出した水は何だったのかな?それによって、事故死してしまうジョセフ。非現実的な世界の中で、ジョセフの長女ハンナだけは、現実的に可哀相なのでした。
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by Erika_Akane | 2004-05-14 22:07 | 洋書