人気ブログランキング | 話題のタグを見る

昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane

The Best American Erotica 2003 ②

読み終わったので、後半について。

過去10年のBAEから読者が選んだトップ5のうち第1位になった  
"The Hit"は、かなりハードコアなゲイS&Mでした。ホテルに滞在中のヒットマンが、ルームサービスのボーイを弄びます。ボーイにはマゾっ気があるのですが、ちょっとやりすぎのような。

謎の批評家XがBestをつけていた"My Professor"は、女子のみのカレッジに入れられてしまった、とっても進んでる女の子の話。若い教師を誘惑するところが「なーるほど、そうするのか」と、勉強になりました。(ちょっと遅いか。それに、それなりの身体がないと駄目なのでしょうが)

トップ5のうちでは、わたしはニコルソン・ベイカーの"From The Fermata"
が好きかな。春になってムラムラとしてきた女性が、お庭でディルドを使って遊んでいるところに、近所の若い恋人たちがやってきて、ついには三人で……という話。恋人たちが来た時、語り手の女性はお尻の穴に大きなディルドを入れたところ。最初は、それとなくやりすごそうとするのですが、突然開き直って、とんでもなく卑猥な「ディルド・トーク」になるのが爆笑ものでした。

でも、全体を通して、やっぱり"The Erotic Adventures~"が個人的ベストです。歳をとって(50を過ぎて)からも、満ち足りた性生活を営める夫婦って、いいだろうなあと思うから。(不倫の話は多いけれど、誰かそういう話もしてください。「60代円満夫婦夜の営みブログ」みたいな)

他に印象に残ったのは、"How to make a cake"。焼き菓子作りが、こんなに艶っぽいものだとは思いもしませんでした。ミキサーの振動。クリーム。小麦粉。砂糖…。で、官能が満たされた後には、美味しいチョコレート・ケーキが焼き上がっているのです。最後の"you really can have your cake and eat it too."はオヤジギャグの世界ですが、笑えます。

あと、"Fucking his wife, four months pregnant with their third child"も、インパクトがありました。妊娠4ヶ月に入って落ち着いた妻を夫が久しぶりに抱く。それだけなのですが、この作者の筆力がすごい。妊娠4ヶ月目の妻が、どれだけ女性的に豊穣であり、熟れきり、潤っているかを、それはそれは(性的に)おいしそうに書いているのです。わたしはヘテロの女性ですし、まして妊婦などは恐れ多くて触るのも恐いのですが、動揺を感じてしまいました。

最後に、編者のスージー・ブライトのサイトを貼っておきます。
スージー・ブライト
by Erika_Akane | 2004-03-06 11:12 | 洋書