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昨夜見た映画、今日読んだ本のレビュー。


by Erika_Akane

試写会報告 Eternal Sunshine of the Spotless Mind (2004)

別れた恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が、自分についての記憶を消去したことを知ったジョエル(ジム・キャリー)は、同じことをしようと決意する。とはいえ、記憶消去作業が始まった後で、2人の恋愛にはどうしても忘れたくない瞬間があったことに気付く。彼の頭の中で、クレメンタインとの逃避行が始まる……。

恋愛って、そうだよなあと思うところがたくさんあります。「今、死んでもいい」と思う瞬間があった同じ人と、ものすごい喧嘩をして傷付けあったり。別れた後で、消したい記憶はあるけれど、全部消すわけにはいかない。(記憶について考えるところでは、「一生の中から、一瞬だけを選んで持っていける」という日本映画の『ワンダフル・ライフ』[洋題:After Life]を掘り下げた感じかもしれません)

そういうことって、普段はただ普通のこととして受け止めているけれど、こういう映画で、「記憶って、存在って、恋愛って何なんだろう」ってことを考えさせられると、同じ生きてるのでも、ちょっぴり深く面白いところを意識し、観察できるような気がして、それがとても嬉しい。

っていうと、小難しい映画かと思われるかもしれませんが、相当笑えます。(記憶消去の手を逃れようと、ジョエルが、クレメンタインを自分の記憶の奥深いところに連れていくところが傑作です。子供時代の嫌な思い出の中とか、自慰をしているところを見つかった思い出の中とか…)そして、かなり切ない。

チャーリー・カウフマンの映画は、映画の限界を押し広げようとしているなあと、いつも思います。特撮とか、特殊メーキャップとかじゃなく、観念・思考・思索表現手段としての映画が、どこまで行けるのか試している感じです。

ジム・キャリーは、いつもはハイ・テンション過ぎて苦手ですが、この映画ではかなりいいです。ケイト・ウィンスレットもすごい。(この人、こっちの普通の女の子のサイズ)あと、記憶消去クリニックの受付役で出ているキルスティン・ダンストが、無茶無茶可愛いです。
by Erika_Akane | 2004-03-19 22:48 | 映画(映画館)